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【物流営業のやり方】「なんでできないんだ!」は育成ではない。私が自己流を捨て、物流特化のプロ営業マンになれた理由

「何度言ったら分かるんだ…」
「なんで、こんな簡単なこともできないんだ!」

 

思うように成果を出せない若手営業に対して、つい厳しい言葉をかけてしまい、後で自己嫌悪に陥る…。そんな経験はありませんか?

ご自身の成功体験を基に、良かれと思って指導しているはずなのに、なぜか部下には響かない。それどころか、関係性がギクシャクしてしまうことさえある。

その根本的な原因は、あなたの指導力不足ではありません。
実は、あなたと部下の間にある「営業スキル」に対する“解像度の違い”にあるのかもしれません。

この記事では、私自身が「気合と根性」だけの自己流営業から、再現性のあるプロの営業手法を身につけるに至った、ある強烈なターニングポイントについてお話しします。

もしあなたが「見て覚えろ」というOJTの限界を感じているなら、この記事が、あなたの営業組織を次のステージへ引き上げるための突破口となるはずです。

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執筆:市川尚史

シンシアンクス合同会社 代表社員

総合物流会社で物流現場の最前線を含めた豊富な経験を活かし、営業活動の代行、企画立案、人材育成を通じて主に物流会社の成長を支援するために独立。「誠実一路」をモットーに実践型のコンサルティングを行います。
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1. 勘違いしていた「できる営業」の正体

前回の記事では、私が万年赤字の部署で、手探りの飛び込み営業を始めたお話をしました。
(→ 1本目の記事はこちら

この泥臭い活動が当時の支店長の目に留まり、私は入社5年目にして、異例の本社営業部への異動を命じられました。

「これで俺も、本格的な営業マンになれる!」

希望に胸を膨らませていた私を待っていたのは、想像を絶するほど厳しい環境でした。
そこで私の上司になったのは、業界トップクラスの企業から鳴り物入りで転職してきた、まさに「営業のプロフェッショナル」でした。

しかし、この出会いが、私の天狗になりかけていた鼻を、根元からへし折ることになります。

2. 自己流営業が通用しなかった日

当時の私は、自分なりのやり方で新規顧客を獲得してきた経験から、「営業のことは、ある程度分かっている」と正直、少し自負していました。

しかし、その自信は、新しい上司の前では全くの無意味でした。

「なんで、こんなこともできひんのや!」
「お前のやってることは、営業じゃない。ただの御用聞きだ!」

毎日、これまでに経験したことのないレベルで、私のやり方を徹底的に否定されました。
報告書を提出すれば、「こんなものは紙の無駄だ」と突き返され、商談の報告をすれば、「で、結局何が言いたいんだ?」と一蹴される。

なぜ、これほどまでに評価されないのか?
自分なりに頑張っているのに、何が間違っているのか?

当時の私には、その理由が全く理解できませんでした。まさに、暗闇の中を一人でさまよっているような感覚でした。

3. 私が「プロの営業」に生まれ変わった瞬間

そんな日々が半年ほど続いたある日。
いつものように上司から厳しく叱責されている中で、ふと、あることに気づいたのです。

上司が私に求めているのは、「頑張った」というプロセスではなく、「どうすれば受注できるか」という戦略と、その実行なのだ、と。

それまでの私は、「とにかくたくさん訪問しました」「お客様と仲良くなれました」という、いわば自己満足の活動報告ばかりしていました。
しかし、プロの世界では、そんなものは何の意味も持ちません。

彼が私に叩き込もうとしていたのは、以下のような「再現性のある営業の仕組み」でした。

  • 仮説構築:
    お客様はどんな課題を抱えているのか?その課題に対して、自社のサービスはどう貢献できるのか?
  • 情報収集:
    商談の前に、お客様のビジネスについてどこまで深く調べ上げているか?
  • ネクストアクション:
    商談の最後には、必ず「次の具体的な約束(宿題)」を取り付けているか?
  • KPI管理:
    目標達成のために、日々の活動量を具体的な数値で管理・報告できているか?

「営業とは、お客様の課題を解決するパートナーになることだ。友達になることじゃない」

この言葉を本当の意味で理解できた時、私の中で、何かが音を立てて変わりました。
「気合と根性」という曖昧なものに頼るのではなく、戦略と戦術に基づいて論理的に活動を組み立てること。

これが、私が自己流を捨て、「プロの営業」として生まれ変わった瞬間でした。

4. あなたの経験を「若手が真似できるやり方」に翻訳する

今、若手の育成に悩むあなたにお聞きします。
あなたは部下に対して、「なんでできないんだ!」と問う前に、「どうすればできるか」という具体的なやり方を示せているでしょうか?

多くの場合、優秀なプレイヤーであった責任者ほど、無意識のうちに高度な営業スキルを実践しているため、「なぜ、それができないのか」が理解できません。
一方で、若手は「そもそも、やり方が分からない」のです。

この認識のズレこそが、OJTが機能せず、営業組織が成長しない最大の原因です。

私を育ててくれたあの上司は、今の時代ではパワハラと言われても仕方ないほど厳しい人でした。しかし、彼が他の上司と決定的に違ったのは、ただ叱るだけでなく、その先に必ず「プロとしての基準とやり方」を示してくれたことです。

あなたのこれまでの貴重な成功体験は、決して無駄ではありません。
しかし、それをそのまま若手に伝えても、残念ながら響かないでしょう。

必要なのは、あなたの経験を「若手でも理解し、実践できる、具体的なステップ」に翻訳(=仕組み化)してあげることです。

もし、あなたが「自分の経験を、どうやって若手に伝えればいいか分からない」と感じているなら、ぜひ一度、私にご相談ください。

23年間の物流営業で培ったすべての知見を基に、あなたとあなたの会社の「勝ちパターン」を言語化・体系化し、若手からベテランまで誰もが実践できる「営業の仕組み」を、一緒に構築させていただきます。

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